カビが発生してしまったら?

ドイツの建物の壁は厚くて頑丈、密封性が高くて夏は外の暑さから中の涼しさを守り、冬は外の寒さから中の暖かさを守りますが、それはイコール通気性が悪いことにもなります。

 

ドイツは日本と比べると湿度が低くて乾燥していますが、その通気性の悪さから特に冬季は頻繁に窓を開けて通気を行わないと、浴室やキッチン、寝室にカビが発生しやすいという欠点があります。

 

浴室では、ドイツ人は普通シャワーのみ使い、日本人は頻繁にお風呂に入る(浴槽をお湯で満たす)ので、どうしても湿気が多くなってカビが発生しやすくなります。

 

発生してしまったカビは、Biff Schimmelentferner や、ROSSMANNのdomol Schimmel-Stop など、普通のスーパーで売っているカビ取り専用スプレーで退治するしかありません。シュッと吹きかけると、10分もたてばカビは跡形もなくなります。

 

塩素が入っている強い潜在ですので、手袋を使用して、目に入ったり肌に付いたりしないように注意してください。黒い服に付くと赤く変色してしまいます。

 

他にもいろいろなカビ取り洗剤が出ていますが、効果のほとんど見られないものありますが、前述の2つは抜群の効果です。

 

手に付いたらよく洗って、仮に目や口に入ったらすぐに水で洗い流してお医者さんのところに行きましょう...と、裏の説明に書いてもあります。Klorix という漂白剤もよく効きますが、スプレータイプでないので不便です。

 

Biff にはSchimmelentferner(カビ取り)の白い容器と、Badreiniger(浴室用洗剤)青い容器の2種類がありますのでお間違えのないように。

 

カビの発生を予防するのに湿度を下げるための薬剤を使った除湿剤や乾燥機器が販売されていますが、一番良い方法はやはり自然に頼る窓やドアの開け閉めによる頻繁な通気です。

 

寝室の場合は朝起きた後、浴室の場合は入浴の後、湿気が完全に取れるまでしばらくの間は窓を開けて通気をして下さい。寝ている間の寝息による湿気は想像以上に多いものがあります。

 

ベッドのマットなども時々持ち上げ、ずらして通気をしてください。マットとマット台の接触面にカビが発生することがあります。

 

 

 

ネットdeデュッセルのブログ、カビに関する記事 1

 

ネットdeデュッセルのブログ、カビに関する記事 2

 

 

 

 

 

ネットdeデュッセルご訪問者宅で起きたカビのトラブルに関する例

2012年の3月にデュッセルドルフに引っ越してこられて入居したアパートのカビによるトラブルのご相談です。2013年の1月から3箇所のカビの発生(*)に気づいて、アパートの管理会社に連絡をしたものの、何の対応もなかったそうです。

* 3ヵ所とも後に、外壁から入り込んだ水分が原因と判明

管理会社は換気不足、動物(ハムスター)と水槽による高湿度が原因であると言いはって何の対応もしないそうです。そうこうしているうちに隣人から、何と前の住人もカビのトラブルで他に引っ越していったことを知らされました。

前の住人ともコンタクトを取って弁護士に相談することになったそうです。管理会社は以前からカビの問題が発生していることを最初は隠していましたが、弁護士の指摘によってそれを認めたものの、その原因は不明であると主張しているそうです。

その後、問題はカビ、つまり高湿度だけではなくて、真逆の過乾燥の問題まであることも分かりました。真冬に暖房をとめていても夜間の室温が23度、日中は25度を超えるそうです。暖房費が節約できるような気もしますが、室温を下げられないので、アパートの中が常に過乾燥の状態で、湿度が低い時は30%以下、高い時でも40%だそうです。

過乾燥にもかかわらず、ひどいカビが発生するという複雑な環境下、お子さんたちが習っているので置いてあるバイオリンとピアノもいたんでしまったそうです。

幸いにもやり手の(?)弁護士さんと巡り会えたようで、その弁護士さんは日本領事館へ相談に行ったとか、日本クラブへ届け出たとかを相手に伝え、先方から専門の技術者が派遣されてきてカビの原因が建物にあることが認められました。

それでも弁護士同士の連絡のやりとりでは、カビの原因が店子側にあると主張し続けているそうです。

弁護士さんの助言で、現在公で故意に家賃の滞納などを行っているようですが、結局この相談主さんはスムーズに引越して出て行けることを望んでいて準備中です。弁護士さんも機転の利くやり手のようですが、この奥さんこそ機転の利く大変賢い人だと感じました。

その理由は、管理会社がカビの調査員を派遣するといった日に、ご主人がわざわざ会社を休んで自宅待機した上、その弁護士さんまで依頼して家で待ち構えていたそうです。

案の定、調査とはうわべだけの申し出で、実際には数人の業者さんが証拠のカビ消し作業に来たそうです。

そしてそこにいるご主人や弁護士さんに気がついて大変慌てたそうです。たかがカビですが、大家さんが親身になってくれない場合はとんでもない目にあうことがあります。

この奥様の一番賢いと思われるところは、今回のトラブルを既に客観的に捉えて、人生経験、試練のひとつとしてとらえようとされているところです。

オリジナルの記事はブログの方にあります...